異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

Year 2021 Prediction

新年あけましておめでとうございます。

ずいぶんと長いこと更新していなかった。久しぶりの更新になってしまいました。COVID-19をはじめ、ここ最近いろいろ出来事があったのでちょっと考えていること、この先起きるかも知れないことを記しておこうと思う。以前にも書いたが、筆者はよい予感よりも悪い予感の方が当たる傾向がある。不愉快に思われる方もいるかと思われるので最初に断っておきます。

緊急事態宣言は再発令する

COVID-19で要となる対応は人の移動制限だと思ってるが、それができていないどころか、移動を推奨するようなGoToシリーズの施策を行ったのは大きな過ちであったと思う。人との距離を取ることとマスク着用を義務付けるぐらいの制限付きでの移動ならまだしも、それも曖昧なまま推進したのは致命的で、大切にしたかったはずの経済活動はこれをもってさらに困難になったと言わざるを得ない。

GoTo施策と感染拡大に相関はないというが、果たして本当にそうだろうか?スコットランド の調査では拡大は旅行が原因というし、人が移動すれば感染は拡大するというのは昔から知られていたことではないか?COVID-19だけが、しかも日本において都合よく拡大しない、なんて事はあり得るのだろうか?

ほかにも後手々々の対応で医療機関に具体的な手当てをしてこなかったツケは必ず回ってくる。おそらくその結果、再度、緊急事態宣言を出さざるを得ない状況に追い込まれるのではないだろうか。

日本経済衰退に拍車がかかる

緊急事態宣言の再発令に伴い日本経済の衰退は待ったなしになる。今年はおそらく昨年よりも多くの会社倒産や赤字が見られるだろう。
話は少しズレるが、以前、生物の大量絶滅に関する本を読んだことがあったが、その中で「適応疲労」という言葉を記憶している。これは絶滅という現象は、原因であるショックが生じたその時よりもその少し後に起きているというものであったと思う。
おそらく日本経済に本当の試練がくるのはパンデミック後になる。ワクチンはいずれ出回り、人々は接種できるようになるだろうが、経済の観点から実害をもたらすのは少し後になってからではないだろうか。今回のパンデミックで日本は対応策に手をこまねいていたのは否めないので、被害の大きさもそれに比例して大きくなることが予想されると思う。

それに伴って気になるのが中国中央政府の動きになる。日本の経済的衰退は覇権拡大のチャンスになる事はほぼ間違いない。日本人自身が「日本スゲェー」とアジア軽視の視座を持っているかぎり、尖閣諸島はおろか、それ以上に彼らの覇権は広がることだろう。

米国大統領の行方

バイデン次期大統領になることは確定しているが、現大統領がこのまま引き下がるはずはないだろう。負けることを最も嫌う彼は何かしらの手を打ってくると思われる。大統領選では決着したとはいえ、彼は約7,000万人の支持者をまだ持っている。どのような形であれ分断は存続したままであり、これを融合させることは年月を伴う難しい作業なのは間違いない。バイデン大統領の4年か8年で解決できる問題とはちょっと考えづらい。

外敵のいない超大国となったとき、敵は内部から生じる。ローマ帝国の例をはじめ、内部抗争は多くの超大国で起きてきた歴史である。それと同時に米国の分断を最も望むのはどこであるかを見据えていく必要があるだろう。

米国との同盟関係は必要であるのは言うまでもないが、「依存関係」として存続していくのは再考を否応なく迫られることであろう。

 

2021年はコロナ感染拡大を防ぐ分水領だけでなく、日本全体にとっても分水領となるだろう。過去の経済的栄光を捨て、どこまで謙虚に眼前で起きている現実を見つめ、対応できるかが今後のカギとなる。もうすでに遅きに失した気もしないが、何もせずに現状維持を望むよりはよい。

本年もよろしくお願い申し上げます。