異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

クリスマスという行事

海外事情に関することを最近さぼりがちにしていたが、クリスマス関連で目についた記事があった。下記ほど寂しいクリスマスツリーは珍しいにしても、英国のクリスマスは少し地味に感じる。

Is this Britain's worst Christmas tree? Furious residents vent anger at 'spindly twig' in town centre

http://uk.news.yahoo.com/is-this-britain-s-worst-christmas-tree--furious-residents-vent-anger-at--spindly-twig--in-town-centre-135338654.html

一方、米国のクリスマスは派手であった。個人宅はイルミネーションでピカピカにするのが一般的で、住宅地によってはその一角が本当に派手になる。それは観光客が訪れるほどで、その街の名物と化していた。Googleで「christmas lights neighborhood」と画像検索するとその豪華さの一端がわかると思う。

英国のクリスマスは派手さがあまりない。一部繁華街などではイルミネーションは確かに綺麗であるが、やはり派手さに欠ける。ツリーも銀や赤い玉が付いている程度で「ゴテゴテ」感がない。あまり着飾らないのがこちらの流儀のようだ。

ただ、米国も英国も共通しているのはクリスマスイブと当日は家族で集まり、ゆっくり過ごすということだ。店のほとんどは閉まり、街は閑散とする。英国に至っては地下鉄、バスなどの公共交通も全て運休し、街は文字通り静寂に包まれる。
このシーズンにヨーロッパ旅行をしたがる日本人は多くいるが、とてもお勧めできない。ヨーロッパに知り合いがいるならともかく、下手をするとホテルで食べ物もないまま過ごすことになるだろう。それほど全てが「休み」になってしまう。

翻って日本のクリスマス(イブ)は「恋人同士で過ごすもの」という定義が根強くあるように思えてならない。また「性夜」と揶揄されるほど、意味合いの違ったものに変質している。ロマンティックとも言えるし、少子化を阻止することにある程度貢献するかも知れないが、独り身時代が長かったせいか、どうしても馴染めなかった。日本でのクリスマスといえば、台風が去るのを待つかのごとく家でジッとしているか、「リア充」などという言葉からは程遠い「類友」を集めて呑んだくれるかの二択であった。

家族・親族で過ごすのは正月でよいという意見もあると思うが、欧米でのNew Yearは短い。12月31日と1月1日は休みだが、30日まで働くし、2日からは仕事が始まる。実質、集まれるのはクリスマスしかないという事情もあると思う。

同じクリスマスであっても、国によってその性格はかなり異なる。私自身クリスチャンではないが、キリストがこの光景を眺めていたのならどう今日を想い、明日を考えただろうか。