異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

ここが変(?)かもしれない英国生活 ~ その1

 英国に暮らし始めてもう4年になろうとしているが、いまだに違和感を持つこと、日本とは異なることがいろいろあって面白い。今回は生活している上で、今まで遭遇してきた、生活の中で気づいた細かいちょっとした違いについて、無作為に紹介してみたいと思う。

 

鍵がオートロック

 ホテルだけでなく、普通の住居であっても基本、ドアの鍵はオートロックである。つまり、ちょっとしたゴミ捨てでも外に出るときは鍵を持ち歩かなければロックアウト(外に締め出し)されてしまう。英国に到着して間もない頃は、これに慣れてないため、よく外に締め出されてしまい、不動産屋さんまで合鍵を取りに行く羽目になった。ドアを閉めれば勝手に鍵がかかるのはセキュリティ上優れているのかもしれないが、いまだにヒヤっとすることがある、あまりうれしい機能ではない。

 

出かけるときは必ず防犯アラーム

 とにかく英国は泥棒が多い。少し前の統計だが、軽犯罪率は日本の6倍という数字を見たことがあるぐらいで、出かけるときや2階に寝室がある家は寝るときに1階の防犯アラームを、毎回作動させておいたほうがいい。英国の泥棒は命まで狙うことは少ないが、それでも物を取られるのは決して気持ちのいいことではない。
ちなみに防犯アラームがよく鳴りっぱなしなっている状態をよく見かけるが、周囲はあまり関心を払わない。防犯アラームをつけておくことはどこまで効果があるかは正直よくわからないが、きっと気休め程度にはなるのだろう。

 

暖房器具は全部屋括り付け

 英国で普及している(たぶんヨーロッパでも)暖房システムはセントラルヒーティングというもので、裏でボイラーがお湯を沸かし、各部屋にあるラジエーターにお湯を送る仕組みである。ものによってはかなり強力で冬場でも密閉性のいい部屋なら十分暖かい。ただ、ピンポイントで「この部屋だけ暖めたい」ということができないので、かなり無駄の多いシステムでもある。
問題は冬場に旅行するときで、サーモスタットを切ってしまうと、寒い日にはラジエーターとパイプ内にある水が凍ってしまうことがある。そうなるとパイプなどが破裂してしまい、水漏れを起こす原因となることがあるので、冬場は光熱費を多少無駄にしても低い温度設定でサーモスタットは常時ONにして置かなければならない。

 

お湯の水圧が弱い

 特に一軒家の場合だが、お湯は屋根裏にあるタンクに貯められる。そこからお湯を「落とす」ので重力水圧以上に高まることがない。それゆえ、お湯がちょろちょろとしか出ない家もあるので、部屋を借りるときはぜひお湯の水圧も確かめてから借りる検討をお勧めしたい。
ちなみにタンクからお湯がなくなると当然お湯は出なくなる。風呂に入る場合は連続して入ることはできるだけ控えたい。そもそもこちらの一般家庭は風呂にどっぷり浸かる習慣はあまり頻繁に行わないのではないか。ほとんどがシャワーで終わらすケースが多いのではないかと思う。そうでないと、タンク内のお湯の少なさは説明がつかない。もっとも、家賃の高い部屋ではそういうことも少ないのかも知れないが、筆者はそのような部屋は借りたことないのでわからない。

 

ロンドン地下鉄運賃は時間帯によって変わる

 朝と夕方のラッシュアワーは運賃が高くなるよう設定されている。(定期券だとその限りではない。)
この制度でどの程度ラッシュアワーが解消されているのか、数字を見たことがないのでよくわからないが、なかなか面白い制度だと思う。日本の通勤ラッシュは地獄そのものであるが、鉄道各社は導入検討をはじめてみてはいかがだろうか。少しでも乗り入れを時間帯によって割り振ることができるのならそれに越したことはない。ただし日本にそのまま単純導入すると、通勤費を浮かすため、早朝出勤・深夜退勤を同調圧力にて、建前「推奨」、実質「義務化」させるブラック組織が出現するおそれがあるので、慎重に行う必要があるだろう。
ちなみにロンドンの地下鉄を定期券購入しても、バスをたくさん利用しない限りあまりお得ではない(定期券だとロンドン内はバスはどこでも乗り放題)ので、Oyster Cardを普通券として使っている人も多い。

 

 他にも気づいたもの、思い出したものがあれば随時書き足していくつもりだが、今日のところここまでとしたい。