異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

Mac OS上でEvernoteのデータ保存場所を変更してみる

 Evernoteをほぼ登場したときから長年使用している。他の記事やブログでも取り上げられているように、これは大変便利なツールである。とにかくさまざまな記事やPDFを片端から好きなように保存できるのがいい。ブログのネタとしてあとから使用するに際しても、とりあえず保存できることはこの上ない利点である。

 ただ、いくつか改善希望があることも事実だ。一つはノートを暗号化した形での保存ができないことだ。ノート内のテキスト文字列そのものをマスク(暗号化)することはできるようだが、「ノートそのもの」を暗号化する機能はまだ提供されていない。ちょっと繊細なデータを保存するときには、このような暗号化機能が是非ともほしい。

 このような場合、クラウド上に載せるのに少し躊躇するようなデータは、ローカルブックに保存するよう心がけている。ただし、これだと同期が取れないのでEvernoteの持つ利便性が半減してしまうことも受け入れなければならない。他にも暗号化zipなどで圧縮して添付ファイルとして載せる方法もあるだろうが、やはり利便性を犠牲にしなければならない。Evernoteさんには是非とも、ノート単位での暗号化対応を希望したい。

 

 もう一つの改善希望として、コンテンツの保存場所がユーザ側で選べないことである。最近のPCのストレージは非常に大きいものを搭載しているが、それでもやはり外部ストレージに保存したいという要望はあると思う。筆者などはシステム領域とデータ領域を別に分けて使いたいと思う質なので、ユーザ側でデータ保存するロケーション選択のオプションを是非とも実装してほしい。

 とはいえ、それを行う方法はないわけではない。Evernoteのデータ保存領域を割り出し、そこをフォルダごと別の外部ストレージに移し、シンボリックリンクを貼れば問題なく外部ストレージに保存される。※以下のサイトを参考にさせていただきました。情報提供、ありがとうございます。

ほとんど上記のサイトを参照することで解決するが、筆者の環境で行った作業もここでざっと紹介しておきたい。

    1. Evernoteのダウンロードとインストール
      Evernoteのサイトからパッケージをダウンロードしインストール。これを書いている時点での直近バージョンは6.1.1。しかし、インストール後にver 6.2へのアップグレードを求められた。
    2. Evernoteへログインし、その後すぐに閉じる
      一度ログインした後、Evernoteを終了させる。メニューバーにもゾウのアイコンが表示されているので、それも終了させる。
    3. コンテンツディレクトリを外部ストレージに移動
      外部ストレージにコンテンツディレクトリを移動する。ターミナルから以下のように実行。※ < >内は環境に合わせて変更してください

      cd /Users/<USERNAME>/Library/Application\ Support/com.evernote.Evernote/accounts/www.evernote.com/<EVERNOTE ACCOUNT>

       

      mv ./content  /Volumes<EXTERNAL STORAGE DIRECTORY>

    4. Evernoteのアプリから参照できるよう、シンボリックリンクを貼る

      ln -s /Volumes/<EXTERNAL STORAGE DIRECTORY>/content/ ./content 

    5. Evernoteを起動
      外部ストレージをきちんと参照できているかどうか確認する。ファイル・ディレクトリの更新が行われていれば成功。

 余談であるが筆者は外部ストレージとして以下のものを使用している。

SDカードのスロットを使用し、なおかつほぼぴったりMacbook Pro本体に収まるため、全く邪魔にならない。(通常のSDカードだと本体から突きでてしまい不格好になる)

データ転送のスピードも、測定したわけではないが、違和感を感じていない。多少値は張るが、外部ストレージとしては決して悪くない買い物だと思う。

 

 Evernoteのデータ保存領域を変更する注意点として、今後のアップデートでデータ保存場所が変更される可能性が捨てきれないところである。以前、同じように変更を試みたことがあるが、メジャーバージョンアップ時にいつの間にか変更されて、外部ストレージに保存されておらず、システム領域の多くを占有されていたという経験をしたことがある。マイナーバージョンアップ時は注意する必要はないと思うが、メジャーアップグレードがあった時には心してバージョンアップをしたほうがいい。

 また、Evernote Windows版のMac版とではデータ保存形態が異っていたと記憶している。最近のWindows版は使ったことがないので現状がどうなっているのかわからないが、過去のバージョンでは一つのデータベースファイルにデータ格納を行っていた。Mac版は複数のフォルダ単位で保存されているので、Windows版とは少し事情が異なることを注意されたい。

 

 そうそう、忘れてはならない改善希望の一つにぜひLinuxバージョンを出してほしい。Wineを使用して使っていたことはあるが、やはりLinuxネイティブバージョンを是非とも提供してほしい。Nevernoteという類似したものもあるが、やはり使い勝手が劣る。もしEvernoteの方がこのブログを読んでいましたら、是非ともLinuxバージョンをお願いいたします。