異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

クラウドへの舵取り

今まで散々クラウドをけなしていながら、とうとうクラウド採用に大きく舵を取りますか、Oracleさん。

Oracle to Amazon: It’s on
http://gigaom.com/2013/12/26/oracle-to-amazon-its-on/

過去に Oracle CEO Larry Ellison氏の基調講演を何度か聴いたことがあるが、そのときはクラウドサービスに対して散々であった。

  • 不安定で遅い
  • セキュリティに懸念がある
  • 結果的にコスト高
  • 一時的な流行りで終わる

などなど。良くも悪くも刺激的なことを言うCEOなので面白おかしく聞いていたが、Oracleが本格的にクラウドをやりだすのはきっと時間の問題と思っていた。やはり時代の趨勢には逆らえなかったということだろうか。

今からSaaSをはじめるのは若干遅きに失した感は否めないが、Oracleはデータベースに限らずさまざまなアプリケーションを提供しているので、それらをクラウド化するメリットはあるかも知れない。中/大企業ではまだまだ自前の環境でOracle製品を運用しているところは多いはずだ。はじめはそれらの「既存顧客」からの取り込みを狙えば、次の潜在顧客につながる可能性もある。日本などではセキュリティに懸念を持つ企業はまだ多いと思われるので、それらの企業の不安をどのように払拭していくか興味がある。

「ITサービスは電気を使用するのと同様になっていく」とある講演で述べていた人がいたが、時代はまさにその移行途上にあると思う。個人的には寂しいが、デスクトップPCもノートPCも不要になる時代は近いかも知れない。携帯端末から設計・開発・テスト・運用。監視まで、いつでもどこからでもできる日はもうそこまで来ているのかも知れない。以前、ケータイから小説を執筆する女子高生だったかが話題になったが、スマホから開発する中高生が明日にも登場することを期待してやまない。