異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

大手ブラックはやはり叩かれるべき

以下の記事を読んだが、違和感の残るものであった。

なぜユニクロだけ“ブラック叩き”にあうのか

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131031/255359/

確かにユニクロだけが注目されるブラック企業として批判されるのはおかしいかも知れない。だが、知名度ある会社が率先してブラック企業として振る舞うことを批判されないのはやはりおかしい。本来は知名度があるからこそ、率先して自分たちのブラック体質を方針是正していく姿勢を押し出すべきかと思う。そのような努力をせず、「うちは厳しい会社ですから」とばかりに自己正当化するのはおかしい。

少なくとも「仕事においてしか人間は成長できない」と堂々と言える経営者は、その発言時点で「ブラック認定」と言っても過言ではない。なぜなら人間は仕事「以外」においても大きく成長できる可能性があるからである。本を読むこと、学校での勉強、友だちとの遊びや喧嘩、子育て・・・。人生において有意義に自分、もしくは他人の成長として時間を使っているのは、むしろ仕事以外のほうが多いのではないかと思う。人の人生において、仕事が占める割合は相対的に見た場合、少ないはずである。少なくとも日本以外の国においてはそうであると思う。

「仕事においてしか人間は成長できない」と言う経営者たちは、本来成長が行われている場所や時間から社員の目を背けさせようとする。その理由は簡単で「仕事=成長」とすればそれだけ自社の仕事に費やす時間が増え、目先の利潤確保が見込めるからである。特にユニクロなどの注目企業のトップが言えば、その影響力も大きい。

「ユニクロを叩けば他のブラック企業が霞む」という論理は一見正しいように見えるが、私は社会的影響力の大きいブラック企業の所業を精査して批判する作業のほうが優先度として先であると思う。世間の耳目が集まる企業の姿勢から先ず変えさせることで、それに倣う企業も多いと思う。

日本に「潜在的ブラック」は多い。しかし物事の解決は優先順位をつけてすべきだ。