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異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

ブラックへの抵抗の一歩は、まず休むことである

 この記事を読んで少し考えたことを記載しておきたい。記事の最後にある一文、「私はもう、疲れてしまった」。これにブラックが行う手口が集約されていると思う。

ブラック社畜が労基に行った話 - Rock_ozanari’s diary

たぶん、これがブラックな組織が行う最も効果的な人間管理方法なのだと思う。人を極度に疲労させ、考えることも行動させることも嫌にさせる。とにかく目前の仕事のみにフォーカスさせ、自分の体を休めることも含め、ほかのことはすべて瑣末な雑事として扱うよう仕向ける。

 日本国そのもののブラック化が推進されている状況において、労基署とて例外ではないのだろう。ブラック企業の問題が顕在してくるにしたがって、業務量は大きく増加しているはずだ。その忙しさの中にあって、訴えてくる労働者に一人でも「あきらめていただく」ことは日々の業務量を減らすことに貢献してもらっていることに等しいのではないだろうか。係官によっては、なるべく早く「お客様にお帰りいただく」ことに注力している人がいても何ら不思議ではない。

 

 人は疲れれば思考能力も低下し、行動力もなくなっていく。あきらめも早くなり、自暴自棄になることだって容易い。拷問の一つになるべく眠らせない方法があるらしいが、あれも疲労を蓄積させることによって、あきらめさせ、自白を誘導する手段だ。

 国民全体を疲労させることによってどういう効果があるのかは、こうした視点から考えていくとわかりやすい。まず疲労が溜まれば体を休めることを優先にしたくなるので、面倒くさい投票に行かなくなる。最大数である無党派層が選挙に行かなくなれば、組織票の効果が必然的に伸びてくるので、党に属している候補者の当選確率は上昇する。ブラック企業出身者を公認候補とした党もあったが、あれはいかに国民を疲弊させるかの技術に秀でていたからではないかと疑ってしまう。

 国全体から見れば、国民の多くが疲弊することはマイナス要素でしかないが、少なくない政治家にとってはそんなことはどうでもよく、自分の利得につながる「当選」が最優先となる。

 

 こうして思考を進めていくと、ブラックの思惑通りにされない、抵抗方法は意外に難しくない。それにはまず、なるべく休養を取るよう心がけることなのだ。

 ブラックな組織では、「休むこと=ご法度」とされているところは多い。「365日24時間、死ぬまで働け」、「食事などもってのほか。仕事のことを考えていれば水ぐらいしか飲めないはず」など、休養することをとことん忌避するよう仕向ける発言からもそのことはうかがい知れる。その逆を行うこと、つまり休みを取るように心がけることは、ブラックに対する効果的な抵抗手段となるはずだ。

 筆者は別に仕事をサボることを推奨しているわけではなく、権利としてある範囲で休むことは何らおかしいことではないと言いたいだけである。休養を取ることで、冷静に物事を見つめる視点を養うこともできる。またその観点にもとづき次の行動に移すことも可能になるだろう。

 酒を飲んで騒いだりするのは、一時的に気分はいいかも知れないが、体や心を休めているとは言い難い。まずは目標として睡眠時間を決め、それの確保からはじめてみてはいかがだろうか。

 まじめに休むことに取り組めば、同僚や上司から冷たい視線を投げられることもあるかも知れない。だが、自分の体や精神が壊れてしまってからでは、その視線さえも感じることはなくなってしまうのである。