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異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

「女性の活用」ではなく、男性と女性の働き方の公平化が求められている

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 こうした記事を見るにつけ、現在推し進められている「女性の活用」があやしく思えてくる。

 2000年代に入ってから、日本では女性の非正規雇用が増えていることを一つ目の記事は示唆している。非正規雇用がすべて悪いとは一概に言えないが、正規雇用に比べ、安定した状態で働けているとはいい難いだろう。つまりいつクビになるかわからない不安定な状態で働いている女性が年々増えているということである。失業率としてはここのところ低く安定してきているが、なんの事はない、その内訳は非正規で働く人たちが増えているという筋書きなのだ。

 人件費(給与)をできうる限り低く、いつでもクビにできる人材を欲しているのが今の世の中なのだということをこれらの記事は示している。また記事には特段明示されてはいないが、加えて長時間働いてもらうこともひとつの目標だろう。

 

 非正規で働くことはそんなに悪いことではないということを強調している一つの例がある。

  もうかなり前になるが、「ハケンの品格」というドラマがあった。ドラマ自体は単なる物語として見るのは悪くないが、気になるのが動画サイトなどで検索をかけると、いまだに見ることができるのである。ドラマなどは版権の締め付け厳しく、動画サイトに掲載するのは基本的にご法度なはずであるのに、このドラマはなぜか残されている。

 ドラマの内容はすさまじく仕事ができる百戦錬磨のハケン女性社員と、新人でダメなハケン社員として働く女性が、正規雇用社員との軋轢にもまれながらも奮闘する姿を描いている。放映当時にざっと見たことがあったが、その時は「ドラマ」以上のものを感じなかったが、いま一度見てみると奇妙な違和感というか、現代の社会状況と照らし合わせると、とても不合理な点で親和性を感じる。ましてやそれがいまだ動画投稿サイトにまだ残っていることを合わせ考えると、何らかの「意図」があったのではなかろうかと勘ぐってしまう。

 

 非正規雇用として働くことで恩恵をこうむる人がいることは否定しない。ただ、大多数の人たちは安定した職場で努めたいと考えているのではないか。いつクビになってもおかしくない立場で日々仕事をするのでは、家庭を持ち、子どもを育てやすい社会など実現するはずがない。非正規雇用が女性だけでなく、男性にも増加傾向にあることを鑑みると、「共働きにならないと生きづらい」社会に邁進している気がしてならない。

 このブログで何度も書いてきたことであるが、本当に必要なのは労働時間の規制強化である。人生の時間は限られている。働いている時間、会社に滞在している時間は、日本は上位にいることは間違いない。数字に現れているだけでも相当数だが、当然カウントされない残業もあることだろうから、おそらく韓国と1位、2位を争うことだろう。そんな不毛な競争から一刻も早く足を洗い、限られた人生の時間を一人でも多く実り多いものにしていただきたいと思う。

 

 記事の中でもうひとつ気になったものとして、「共働き社会化はほうっておくと格差の拡大にむすびつく」という点だ。本当にそうなのだろうか?

 男女の働き方の公平化が図られることと、自分たちの質と量の必要十分が理解できていれば、一概に格差拡大には結びつかないのではないだろうか。難しいと思われるかもしれないが、現に筆者の周囲では妻が働き、夫が家を切り盛りするご家庭はいくつかある。何も二人がともに働いて稼がなくてはならないというルールはない。

「共働きの社会化」を目指すのではなく、働くことが得意な、好きな方が働ける社会を目指すことのほうが格差など気にしなくても済む社会になるのではないだろうか。働くことが美徳とされる日本であるが、世界の認識のそれとは少し違うのではないだろうか。おそらくその美徳は、今後変わってくるだろうし、筆者も変わってほしいと思う。「人間は仕事以外で成長する方法はない」なんていうカビの生えた古臭い価値観などいつの日かなくなることを切に願っている。