SpiderOakを入れてみた
久しぶりに技術的な話題。本当に自分はIT技術で飯を食っているのだろうかと思うほど自堕落なブログしか書けていないが、今回はオンラインストレージサービスについて書いてみようと思う。
◆ オンラインストレージサービスの懸念点
オンラインストレージサービスは世の中に数多くあるが、中でもDropboxはこの分野の先駆けであり、とても有名だ。筆者もDropboxは使用しているが、プライバシーに関しては幾分懸念を持っている。いろいろと探すと良からぬ「噂」や状況証拠レベルのものは出てくる。
Dropbox takes a peek at files. But it's totally nothing, says Dropbox | PCWorld
組織が大きくなれば、この手の噂は当然のごとく出てくるが、NSAの活動に肯定的な元米国政府高官を役員として招き入れていることや、勝手にユーザのファイルを覗き見ている形跡が噂レベルであることからも、ある程度はプライバシーを気にしたほうがいいのは確かだろう。ただし、大げさに気にする必要はない。プライバシーに関する繊細なファイルはアップロードしなければいいだけの話で、特段利便性が損なわれることはない。
ちなみに筆者はよく使う実行形式のファイルや、LinuxのパッケージファイルをDropboxには保存している。その他は音楽ファイルや複数端末で共有したり、プライバシーとは関係のないファイルを入れている。これだけでも出先からアクセスできるので何かと重宝している。
◆ プライバシーを考慮したオンラインストレージサービス
プライバシーに関係するファイルをオンラインにも保存しておきたいとなるとサービスは限定されていく。筆者が見てきた範囲の中では、SpiderOakがその中でも比較的良いとされているようだ。ただしこうしたサービスの真偽は裏付けを取るのがなかなか難しく、事件などが起きた際の対応を見ていくしか事実上、確認しようがない。病的なまでにプライバシーについて気にするようであれば、そもそもオンラインストレージサービスは利用すべきではないだろう。
◆ SpiderOakのインストール手順
前置きが長くなったが、今回はそのSpiderOakをインストールした際の手順を紹介しておきたい。筆者の備忘録としても兼ねているので、書き方が多少大雑把のはご容赦願いたい。
なお、インストールしたマシンは、
- 筆者のメイン(自作)マシン (OS: Linux mint 17.1 Rebbeca 64-bit版)
- 持ち運び用サブマシン (Macbook Air: Mac OSX 10.9 Mavericks)
の二つである。
まずはSpiderOakをダウンロードする。Ubuntu系Linuxであれば.debファイルを。Macであれば、.dmgファイルを適当な場所に保存しておく。
そしてユーザー登録もしておく。メール、ユーザー名とパスワードを登録しておくベーシックなもの。パスワードを後から推測できる語句も適当に登録しておく。ユーザー名とパスワード後ほど起動時に使用する。
フリー版は2GBまでしか保存できないが、$10/月を支払えば100GB使用できる。だが、プライバシーに関連するファイルを100GBも保存するのはビデオファイルなどを大量にアップロードする必要があるだろう。多くの人はそんなに必要としていないと思う。もう少しフレキシブルな料金体系が望まれるところです。
◆ Linuxインストール
今回はLinuxのインストールに絞って記載しておく。Macのほうもインストールしたが、特段問題なく終わってしまったので、記載してもあまり意味がないと思ったからだ。
Linuxもインストール自体は特に難しいところはなく、落としてきた.debファイルから行う。筆者は基本的にCLIからインストールするのを好む。
sudo dpkg -i ./spideroak_5.1.8_amd64.deb
うまくインストールされれば、スタートメニューにアイコンが登場するはずなので、それをクリックする。基本マウスクリックで画面を進めて、先ほど登録したユーザ名とパスワードやマシン名などを入力するれば基本完了。同期専用ディレクトリ「SpiderOak Hive」がホーム直下に作られる。
◆ 遭遇した問題
インストール後に起きた問題を整理しておきたい。しばらく使用しているうちにサーバと同期が取られていないことに気づいた。いつまでもステータスが同期中のまま変わらない。
ここでは「Activity」の欄がSyncs Completeになっているが、いつまでも同期中のステータスで終わらないことがあった。
◆ 問題の対象法
二通りの方法を試みたが、SpiderOakが提供しているコマンドではうまく行かなかった。ちなみに行ったコマンドは下記。
SpiderOak --destroy-shelved-x
上記コマンドが完了したら下記を実行。
SpiderOak --repair
結局、効果のあった解決法は、一度設定ディレクトリを削除することであった。ちなみにこれは隠れディレクトリなので、「Ctrl+h」などで表示させておくとわかり易い。もちろん削除の前にディレクトリのバックアップを忘れずに。
Delete your:
~/.config/SpiderOak
directory.
そしてクライアントソフトを再度起動させる。クライアントソフトに対し、ユーザー名とパスワードの入力などやり直す必要はあったが、大きな作業負荷ではなかった。
◆ 総評
基本的にはDropboxとほとんど遜色ない使い勝手である。同期スピードなどは若干遅いように感じられるが、特に大きなファイルなどを置いているわけではないので、筆者の環境では問題ない。大きめのファイルを扱いたい人は、もしかしたら注意が必要かもしれない。
筆者が思うには、プライバシーを気にする人はDropboxとの使い分ける用途で使用するのをお勧めしたい。ただし、冒頭でも述べたようにどこまで本当にプライバシーが確保されるかわからないので、気にする人にはオンラインストレージは避けるほうがいいだろう。
◆参考URL