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異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

ヤジ犯人の吊し上げだけでは何も解決しない

セクハラヤジ、いや人間侮蔑ヤジ飛ばしていた犯人が見つかったらしい。

自民・鈴木章浩都議、ヤジ認める 「早く結婚すれば」:朝日新聞デジタル

ただ、思うのです。このヤジを飛ばしていた都議を捕まえて、吊るし上げたところで問題の本質は何も解決しないと。おそらく彼は反省などしていないだろうし、「何で俺だけが」という想いの方が強いのだと思う。その証拠に議員辞職をする気配は現在のところないし、会派離脱でことを鎮めようとする魂胆が窺えるといっても過言ではないと思う。

セクハラ野次@都議会事件に関する一般論による解説(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

こんな東京都議会の政治家なんて、皆な税金ドロボーだ!(天木 直人) - 個人 - Yahoo!ニュース

それだけでなく、彼を擁護する風の到来を臥薪嘗胆で待ちわびているのではないだろうか。現に上記の二つのブログでは、被害にあった女性議員の適性を疑うような、そもそも問題の本質からはずれた言及が既にされ始めている。

この女性議員がどのようなテレビ番組に出演していようと、過去にどのような男性遍歴を辿っていようと、現在における都議活動の計画と実績のみで評価されるべきだ。そして議員活動最中に差別的な侮辱を受けたのであれば、都議としての活動範疇で問題解決を図っていくべきだろう。ゴシップ的なその他のノイズは問題を撹乱させるものであり、差別的な意識を持ち合わせた、ほかの周囲で笑っていた連中をさらに高笑いさせるだけである。そして本質的な問題は有耶無耶となり、次なる悲劇へとつながっていく。

 

都議会で女性議員へのセクハラを撲滅するもう一つの方法: 極東ブログ

このブログでは都議会議員の半数を女性にすることで、問題解決を提案している。憲法改正で男女平等を謳う条文を入れるべきだとまで述べている。事件をもっとつぶさに検証していく作業は必要であると思うが、筆者はこの考えに概ね賛成である。集団的自衛権による憲法解釈の変更に意欲を示すより、よほど建設的であると思う。現在進行中の問題は内患外憂であることは間違いないが、比重では「内患」のほうが重いと筆者は見ている。こうした現象を目の当たりにすると特にその想いは強くなる。今のやり方では、現状の優先順位を顧みず、政権の思惑だけを全面に出した短絡的な愚策としか思えない。

男尊女卑の社会、もっと言うなら人間をモノ扱いする社会を是正していくには、犯人を探し出し、スケープゴートにすれば終わりというわけでは決してない。人をモノとして扱う社会背景には何があって、どういう歴史から積み上げられたのか、丁寧な検証作業が必要なのである。その前提作業を地道に行った上で、制度を変更していくことが差別やモノとして扱われる人々を少しでも減少させていく策につながっていくのではないだろうか。

論点を撹乱させる話は今後、たくさん登場してくるだろう。軸をぶらすことなく、問題の本質にどれだけ継続的に迫ることができるのかが、この問題の趨勢を決めていく。