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異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

サマータイムを導入しないほうがいいわけ

英国では本日からサマータイムが始まった。一時間時計が進められるので、朝起きたときにはいつもよりずいぶんと遅く起きたように感じられた。少し損した気分だ。

このサマータイム、日本でも導入がたびたび検討されているが、あまりお勧めできるものではない。その理由は、

  • 各時計を手動調節しなければならない。ネットにつながっているスマートフォンやPCは自動的に時計を調節してくれるが、そうでないものは手動で直さなければならない。置時計などがたくさんある家はかなり面倒だろう。車に内蔵されている時計などは、そもそも変え方がわからないこともあり、うちでは半年間放っておかれている。半年に一度のイベントとはいえ、億劫なことには違いない。
  • 一時間とはいえ、生活のリズムがわずかに狂う。おなかが空くタイミングなど少しだけずれる。しばらくたてば慣れることではあるので大事ではないが、はじめは違和感を感じる。
  • 待ち合わせ時間などを間違う。腕時計の時刻変更を忘れると特に悲劇だ。最近はスマートフォンの時間を見る人も多いので、そう慌てることはないと思うが、腕時計に頼っている人は気をつけたほうがいい。
  • サマータイム導入の背景は、日照時間をうまく使った電気の節約とよく聞くが、大きな効果があるとは思えない。家庭にもよると思うが、一日中電気をつけている方も多いようだ。これは聞いた話であるが、いちいち消したりつけたりするのは「貧乏くさい」という価値観を持った人もこちらにはいるらしい。
  • そしてシステム関連での登録/変更。ローカル時間に合わせた運用なのか、世界標準時に合わせたものなのか、予めそれを把握しておく必要がある。Windowsのタスクスケジューラの登録などを使う場合などは特に注意が必要である。

ほかにも時差との関係でもやっかいである。1時間足したり引いたり、時期によって変えなければならないので、日本などのサマータイムがない地域との話が噛み合わない場合も少なくない。説明資料にサマー/ウィンターの両方を時間表記しないと日本の人には認識してもらえず、思わぬ落とし穴が待ち受ける場合もある。また世界で同時にサマータイムが始まれば(終われば)いいのだが、そんなわけはない。米国と欧州では違いがあり、それもまた混乱の要因となる。

これらのことを合わせて考えるとプラス面は本当にマイナス面を凌駕できているのかと疑問に思う。日本では登場しては消えるサマータイム導入案であるが、これは無用な混乱を招きかねない案であると思う。今は導入の話はとんと聞かないが、これからも蒸し返してほしくないものである。