異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

インターネットの戦い

エドワード・スノーデン氏がNSAを告発して以来、さまざまな動きが水面下で行われているようだ。

米政府が暗号を解読、崩れるネットの安全性
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131011/510542/

インターネット上を流れる情報のほとんどは読み取られていると見てよいと思う。暗号化された通信も怪しいと見ていいだろう。テロリストと一般人の区別など見ただけではわかりようもなく、容赦なく全ての通信を傍受していくというのが彼らのやり方である。そしてそのやり方に精通している人物や、目的の障害とみなされた人物には手練手管で妨害工作が行われる。以下のリンクはRSA暗号を開発した一人、Adi Shamir氏に対する妨害とも取れる行為である。

Cryptographer Adi Shamir Prevented from Attending NSA History Conference
http://blogs.fas.org/secrecy/2013/10/shamir/

おそらくNSAにとって都合の悪い新たなる暗号方式の考案や、NSAの所業について語られることを恐れている。つまり現在はNSAの立ち位置として、とても有利な条件下にいることを示している状況証拠ではないだろうか。

そして最後にインターネットのトラフィックルーティングを「誰かが」操っていると考えられる記事が以下だ。

How Somebody Forced the World’s Internet Traffic Through Belarus and Iceland
http://allthingsd.com/20131120/how-somebody-forced-the-worlds-internet-traffic-through-belarus-and-iceland/

他にも水面下で行われているネットに関する奇妙な動きはいくつかあるが、ここに来てポツポツと表面化している。インターネットは基本的に自由な空間であったはずだが、実はかなりの部分が監視下に置かれていたことがわかってきている。スノーデン氏の告発がそれを裏付けたかたちとなった。

監視に抵抗する勢力と監視を強化しようとする勢力が我々の知らないところで、壮絶なせめぎ合いを演じているのかも知れない。いずれにせよ力あるところに情報が偏在化すれば、弱肉強食の世界に結果的にはなることを避けられない。情報を制するものが世界を制すると思う今日この頃なのである。