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異国見聞私書録

異国から見たこと感じたこと気になったこと。そして時折テクノロジーのお話。

Toilets in Europe

living abroad

欧州ではよくある有料トイレ、はじめは本当に馴染めなかった。

外に出かけるときまずすべきことはトイレを済ませておくことと、小銭を持ち合わせること。これは今でも心がけている。
日本の感覚で公衆トイレを見つけることは英国では難しい。駆け込めるようなトイレを見つけたと思いきや、小銭を必要とする有料トイレだったりする。カフェやパブに多くの場合、トイレはあるが、「トイレだけ」使わせてもらうにはやはり敷居が高い。一杯買うついでにトイレを貸してもらうか、払わずに直接トイレを使わせてもらうよう交渉するのも良い。が、いずれにせよ「すぐに」行けるものではない。大型店舗のトイレを使わせてもらう手もあるが、ここでも小銭を支払う場合が多い。

たかだか数分で用を足せるトイレに、なぜお金を投じる必要性があるのか全く理解出来なかった。これぐらいのサービスはタダにしてくれという、今考えてみればかなり身勝手な主張を頭の中で繰り返していた。だが、本来「サービス」はタダではない。

日本にいるとこの手の短時間で済むサービスや手間のかからない作業はサービスする側が無料で提供するものだとサービスを受ける側は思い込むことが多いと思う。そうした習慣が繰り返されるうちにサービスを提供する側も受ける側も「タダで当然」という意識の下で行動するようになる。こうした習慣から日本ではモンスターカスタマやペアレントを生み出す土壌となっている気がする。

有料トイレの出入り口には集金人がいることが多い。この集金人がちょっとした掃除やお手拭き紙を配ってくれたりする。だいたい支払うのは50pほどだ。この人たちがいるおかげか、トイレは清潔に保たれていることが多い。
また集金や掃除だけでなく、ちょっとした「監視人」の役割も担っているのではないかと思う。欧米ではドラッグをやる者も多いため、トイレでドラッグなどをやらないよう、犯罪抑止力としても地域に役立っているのではないか。そうして考えれば50pは安いサービス料として捉えることも可能だ。

日本にも有料トイレを見かけたことがあるが、犯罪も欧米と比べて圧倒的に少ないこともあり、有料になることによる「サービスを受益している」感は少ないかも しれない。だが、「サービスはタダではない」という意識を草の根から始めて行くには有料トイレは良いきっかけになるのではないだろうか。